3つの慰謝料基準の比較

交通事故に遭ったときには、加害者の保険会社と示談交渉をして慰謝料をはじめとした賠償金を支払ってもらうものですが、このとき、3つの慰謝料計算基準があることを、ご存知でしょうか?

3つのうちどれを使って計算するかにより、同じ内容の損害が発生しているにもかかわらず、賠償金の計算結果が全く異なってきます。

以下では、交通事故の3つの慰謝料計算基準を比較してみましょう。

 

1.自賠責基準による慰謝料

交通事故の慰謝料には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3種類があります。

自賠責基準によると、これらのうち、どれももっとも低額になります。

たとえば、入通院慰謝料は、1日あたり4200円と一律の値になります。1ヶ月通院した場合、4,200円×30日=126,000円です(ただし、15日以上通院した場合)。

後遺傷害慰謝料も、各等級においてもっとも低い値となります。

死亡慰謝料についても、本人の慰謝料は一律で350万円にしかなりませんし、遺族の慰謝料も非常に少ないです。

 

2.任意保険基準による慰謝料

任意保険基準によると、入通院慰謝料は、自賠責基準よりは高額になります。1ヶ月通院した場合には126,000円で自賠責基準と同じですが、入院した場合には252,000円となります。

ただ、それでも裁判基準よりは低いです。

後遺障害慰謝料も、自賠責基準とほとんど変わらない値です。

死亡慰謝料については、一家の大黒柱の方が被害者となったときに1,700万円程度認められるので、自賠責基準よりは高くなります。

 

3.裁判基準による慰謝料

裁判基準によると、入通院慰謝料も後遺傷害慰謝料も死亡慰謝料も、どれももっとも高額になります。

たとえば、1ヶ月入院した場合には、軽傷の場合で35万円、通常のケガの場合で53万円となります。

1ヶ月通院した場合には、軽傷の場合で19万円、通常のケガの場合で28万円となります。

後遺障害慰謝料の金額は、自賠責基準や任意保険基準の2~3倍程度となります。

死亡慰謝料の金額は、一家の大黒柱の方が被害者となった場合、2,800万円程度にまで上がります。

以上のように、裁判基準で計算するとすべての慰謝料が他の計算基準と比較して、明らかに高額となります。

 

4.弁護士に依頼すると、裁判基準によって慰謝料が増額される

このように、交通事故の賠償金を計算するとき、裁判基準を適用すると、賠償金がもっとも高額になりますが、被害者の方がご自身で示談交渉をされると、裁判基準は適用されません。その場合、低額な任意保険基準や自賠責基準が適用されて、慰謝料が安くなってしまいます。高額な裁判基準を適用して慰謝料を増額するには、弁護士に対応を依頼することが必要です。

後遺症が残った場合や死亡事故の場合など、重大なケースにおいても、どの計算基準を使うかで慰謝料がまったく変わってきます。交通事故で適正な賠償金を受けとるために、お早めに弁護士までご相談ください。

 

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