交通事故による、けがの治療費は「必要かつ相当な実費」が賠償の対象となります。
つまり、保険会社から治療費の打ち切りにあっても
「必要かつ相当である」と証明できれば、かかった治療費は賠償の対象となります。
逆に、治療に必要な部分を超える過剰な診療・治療(過剰診療)は賠償の対象となりません。
それでは、どこまでが治療費として認められるのでしょうか。
このページでは請求ができる、治療費などの様々な積極損害の範囲の一部をご紹介します。
マッサージ費・温泉療養費など
柔道整復、鍼灸、あん摩、指圧、マッサージなどの東洋医学による施術費、治療器具購入費や
温泉療養費は、医師が治療上必要と認めて指示をしたものは認められます。
医師の指示が無くても治療上有効だと証明できれば、認められますが減額されることが多いです。
将来の治療費
下記判例のように、将来の支出が確実な治療費は、現在の損害として認められます。
判例1【京都地方裁判所判決 平成12年1月20日 自動車保険ジャーナル1378号3頁より】
顔面醜状痕の将来の整形手術費250万円が認められた。
判例2【東京地方裁判所判決 平成13年3月28日 交通事故民事裁判例集34巻2号468頁より】
将来の右大腿骨頭カップの置換術費として15年後、30年後、45年後に
それぞれ90万円の治療費が認められた。
交通費
・電車・バスなどの公共交通機関を利用した場合
実際に、支出した額を請求することができます。
・自家用車を利用した場合
ガソリン代(1kmあたり15円で算出)、駐車場料金、高速道路料金などの実費を請求できます。
・タクシーを利用した場合
けがの部位、程度や年齢などから歩行が困難であるなどの
やむを得ない事情がある場合は請求できます。
葬儀費用
裁判実務では、原則として150万円、
これを下回る場合は実際にかかった費用を請求できます。
まとめ
賠償の対象として全部が認められなくても、一部は認められる場合がありますので、
かかった費用は領収書を残しておくようにしましょう。
ここで紹介した以外にも、賠償の対象になるものはたくさんあります。
賠償の対象になるのかわからないものがあるのであれば、
弁護士などの専門家に確認することをおすすめします。